2010年01月20日

『 ロコモ 』

 最近、患者さんからロコモって何―に?と聞かれることが多くなりました。ロコモとはロコモーティブ・シンドローム(ロコモーティブ症候群、運動器症候群)の略称で、ロコモーティブ(locomotive)は英語の運動、移動を表すlocomotionの形容詞で、多くは機関車の意味で使われています。

 長寿大国を誇る日本ですが、既に2005年頃から75歳以上の方が21%以上を占める超高齢社会に入ったとされています。いくら寿命が延びても寝たきりでは仕方がありません。そこで登場してきたのが健康寿命です。介護の世話にもならずに、元気に暮らせることのできる年齢を指し、寿命との間には7〜8年の差があります。介護が必要となる原因としては脳血管疾患(27%)、認知症(19%)、老衰(12%)がよく知られていますが、骨折や関節の病気が併せて18%を占めていることも驚きです。

 体を自分で動かすのに必要な組織には骨、関節、筋肉、神経があり、これをひとまとめにしたのが運動器です。骨折や関節の病気はこの運動器の障害ともいえます。したがって、健康寿命を延ばすためには、この運動器の機能を保っておくことも必要なわけです。このため、日本整形外科学会では、この運動器の機能が衰えることにより、日常生活での自立度が低下し、介護が必要となったり、寝たきりになる可能性の高い状態をロコモと呼び、その予防を呼びかけているわけです。最近の研究では、40歳以上の国民の約2/3、推計4700万人もいることが明らかとなっていますし、原因としては、骨粗鬆症、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症などが上げられます。

 ロコモかどうかのチェックは簡単です。次の7項目のどれかにあてはまるかどうかです。
@ 片足立ちで靴下がはけない
A 家の中でつまずいたり、滑ったりする
B 階段を上がるのに、手すりが必要である
C 横断歩道を青信号のうちに渡れない
D 15分くらい続けて歩けない
E 2s程度の買い物を持ち帰るのが困難
F 掃除機の使用、布団の上げ下ろしなどが困難
 どれかに該当すればロコモとなりますので、ロコ・トレーニングを始めてもらうことになります。

 ロコ・トレーニングは開眼片足立ちとスクワットからなります。開眼片足立ちはそばに必ずつかまるものがある場所で、足を床に着かない程度1分間ずつ、1日3回上げます。スクワットは深呼吸のペースで5〜6回を1日3回行います。なお、膝に故障がある方は医師に相談してから行って下さい。

 ロコモのチェックとロコ・トレーニングで寝たきりや要介護にならずに健康寿命を延ばしましょう。
posted by 佐藤哲朗院長 at 00:00| 日記