2008年11月20日

患者様と患者さん

 15年ほど前のことである。 開業されたばかりの先生の診療所に応援に行った時、「○○様、診察室にお入り下さい」とのアナウンスを聞いた。当時、研修医に医療はサービス業だからこれからの医師は患者さんにホテルマンのように対応することも必要ですよと話していた私であったが、「○○様」という呼び方には耳慣れない、そこまで言うかという違和感を覚えた。


 その後、市内の病院を中心に患者さんへの接し方についての見直しが進み、多くの病院が患者さんの呼び方を「患者様」へと変えていった。しかし、私自身は妙にへりくだっているような、またいかにも患者さんを医療費というお金を抱えたお客とみている感じがして、そのまま「患者さん」と呼ぶことを続けてきた。6年前にこの病院の院長に赴任することになった時、考えたことのひとつが、この病院での呼び方をどうしたものかであった。「患者様」と呼ぶことによって医師と患者の関係の見直しを計れるのではないか、患者様と呼ばないとサービスが悪い病院と思われるのではないか、さりとて実感のこもっていない呼び方は勧めたくもないしである。


 そんな折り、所属していたメーリングリストに渡辺という先生が、「お店は(専門知識をもって)モノを売る仕事ですから、そういう表現でしょうが、医療はモノではなく、共同作業と考えてはいかがでしょう。山に登るニーズがあって、山岳ガイド(プロ)を訪れる。専門の知識と確かな技術でガイドし、保護し、共に汗をかき山頂を目指し、リスクも共有し、無事に日の出を迎えるゴール。ここでは”心の友”ですね。」と患者と医師の関係をみごとに表現していた。全く我が意を得たりであった。かねてから、患者さん自身が自分の病気を知らなくて治療など成立する訳がないと思い、病気の説明に時間を割いてきた私であったが、ガイドとして患者さんと共に戦うと考えれば、時間の割きがいもあろうというものである。やはり、友は「さん」。以来、当院では皆に「患者さん」と呼ぶことを勧め、今に至っている。


 ところで、「様」と「さん」であるが、広辞苑によれば「様」は氏名・官名・居所などの下に添える敬称となっており、「さん」は「様」が転じたもので、「様」よりくだけた言い方とある。「さん」は漢字でどう書くのかとみてみたら、日本語大辞典には「様」となっていた。呼び名に「さん」を使っても、文書では「様」となる。SAMAがSAMとなり、いつの頃にSANへと転じたのであろうか。
 「様」と「さん」の差は微妙であるが、どうも客と友人位の差はありそうである。患者さんの病気に立ち向かうにあたって、共に手を取り合って行く姿を理想的と考えたい。しかして、当院の理念にも「共に歩む医療を行います」のフレーズを入れさせていただいた。
(2005仙台市医師会報掲載文、一部訂正)

posted by 佐藤哲朗院長 at 11:00| 日記

2008年11月19日

当院のホームページをリニューアルしました

こんにちは。院長の佐藤哲朗です。

このたび当院のホームページが丸5年、10万アクセスを超えたのを期にリニューアルしました。

今までの内容のほか、看護部発行の院内新聞“みどりのかぜ”に寄稿された患者さんの原稿や看護部と私のブログなどが新しく加わりました。

今後とも当院のホームページをよろしくお願いします。
posted by 佐藤哲朗院長 at 16:57| 日記